夕方の西空の4日月。こんな風景は秋から冬にかけ科学館の天文台からよく見られる。
このように細い月の時には、地球からの照り返し=地球照によって、
月の影の部分がうっすらとみえるときがある。
細い月が宵の明星金星とならんだときの望遠レンズによるスナップ。
月の影の部分が見えているのが分かるがこれが地球照。
双眼鏡で見ると、うっすらと月の模様も見ることができる。
同じく、月齢1.6の糸のように細い月。街中では周囲の建物に隠れ、
また空の透明度が悪いと、かすかにしか見えずなかなか撮影できるチャンスがない。
そんなワンチャンスにコンパクトデジカメで手持ち撮影したもの。
上弦すぎの月。科学館天文台15cm屈折望遠鏡直焦点撮影
右手やや上部に単独で離れて見えるのが危難の海、
その左には月のウサギ模様が逆立ちして見える。
ウサギの顔に見える部分が静かの海、右のやや太い耳が豊かの海、
左の細い耳が神酒の海、胸から胴体にかけて晴れの海、雨の海と続く。
拡大して見た月面。月の南極側(望遠鏡で見たように天地が逆になっている)
南極側は沢山のクレーターが集積している。かってあったと考えられる月の重爆撃時代の名残りである。
クレーターの形状をよく見ると小型のものは単純な丸い形のものが多いが、
大きなクレーターはその中央に突起=中央丘が
あるもの、クレーター内壁が幾重にも重なるもの、
クレーターの生成順序を知る手がかりとなるクレーター同士の重なりなど
多様な様子がわかる。
画面中央の斜め横に走る地形はアルプス谷。その右の明暗境界線に見えるクレーターがプラトー
左端の丸い滑らかな地形は危難の海。その右が静かの海、下側は晴れの海。
大型のクレーターが鎖のように続く。下端の上下に3つ並んだクレーターは、
下からプトレマイオス、アルフォンスス、アルザッケル。
上部の大きなクレーターはデランドル。その下には有名な雲の海の直線壁も見えている。
月面で最も明るく目立つアリスタルコスクレーター、その横に蛇行して見えるのがシュレーター谷。
満月のころ、周囲に大きく広がった光条を放つティコクレーター。
このように光条を持つクレーターは、かっての隕石衝突の名残を
残すものであり、月のクレーターの中では比較的新しいものといわれている。
右の半弧状に見えるのが虹の入江。月の観光名所とも言うべき地形である。
左の内部が平坦なクレーターはプラトー。ところで・・・
これらの様様なクレーターは、40億年ほど前の隕石の重爆撃時代に
形成されたものと考えられているのだが、
なぜこの時代にそれがあったのかまだ理由はよく分かっていない。
月の軌道は楕円なので同じ満月でも大きさが違って見える。
目で見ていても気づかないが、こうして全く同じ撮り方で
撮影した月を比べてみるとその違いがよくわかる。
2012年10月1日1h30m 中秋の名月(9月30日)
台風通過直後の月、大気のゆらぎが縁のギザギザでよくわかる
400mmF5.6望遠レンズ