Recent Solar Activity update monthly 最近の太陽

Kawaguchi Science Museum Solar Observatory
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最終更新日 2018-04-21 (更新日 前月ぶん→毎翌月上旬)
○最近の太陽活動 3月の太陽活動
3月の太陽活動は大きく落ち込んでいる。
期間中観測されたのは4群のみ。いずれも微小または小型群で活動もほとんど見られない。
月初のNOAA2700は微小なA型群、N側の群でこれは前月からの継続群である。
その消滅後は無黒点が続き、次に群が現れたのは16日、S側にA型群NOAA2701。
18日にN側でB型群NOAA2702。両群とも短命ですぐに消滅、再び無黒点となる。
そして月末30日、東のリムからNOAA2703が出現。小さな半暗部を持つC型群だったが
翌日にはもう半暗部は確認できず、衰退傾向にある。4月初め群は消滅、無黒点に。
○2017年の太陽(月平均黒点数)
太陽の活動度は2018〜2020年と予想される極小期に向け下降を続けている。
この1年間の動向は2016年と同様ほぼN側が優勢に推移。
ただ、その差は前年と比して縮まっている。
N側が落ち、S側はほぼ横ばいとなっているからで、年末には両者ほぼ拮抗している。
目立つのは9月のピークで、これは突発的に起こったサイクル24最大のイベント、
NOAA2673で起きた9月6日11時53分U.TのX9.3フレアによるものである。
発生後の変化が早く、δ型黒点群となり複数回のXクラスバーストを起こしている。
これからの1年、注視すべきは高緯度群の発生で、これが見られるようになると
新しいサイクルのスタートは間近となる。
*注 2018年01月09日 S側に発生したNOAA2694は緯度-32度の高緯度群。
ただし、磁場構造は先行部N極とサイクル24群の特徴を示している。
また、2014年12月11日、N側に現れたNOAA2236も緯度30度と高緯度だったが
この時には太陽面にはかなりの群が現れていた。
2017年9月7日の太陽 右側のE型群がサイクル24最大の活動を起こしたNOAA2673
サイクル24
太陽活動には周期性があり、約11年ごとの変動を繰り返している。
今期の活動は、1755年に始まる活動をサイクル1と数え、その24番目となるもので、
サイクル24と呼ばれている。
サイクル24の活動度は非常に低く、同様に低迷したサイクル16(1923年スタート)
以来、ほぼ90年ぶりという低い値を示している。
世界の観測を集計しているベルギー王立天文台SIDC/SILSO
〜Sunspot Index And Long-term Solar Observation〜によれば、
サイクル24のスタートは2008年12月。
2012年03月に第1のピーク、黒点数98.3(太陽北半球側の活動による)に達したが、
その後一旦下降、2013年から再び上昇に転じ
2014年04月に第2のピーク=極大値116.4(太陽南半球側の活動による)を迎えた。
このずれは、太陽活動の南北非対称として知られるもので、
ここ何サイクルかは共通して北半球の活動が先行するというパターンとなっている。
サイクル24一覧
開始 2008年12月
極大 2014年04月
極大値 R=116.4
極磁場 北極 S極 南極 N極(サイクル24前半〜)
極磁場反転 2012〜2013年
極磁場(現在) 北極 N極 南極 S極(Wilcox solar obsevatoryによる)
黒点磁場 北半球 先行黒点 S極 後続黒点 N極
南半球 先行黒点 N極 後続黒点 S極
新サイクル 2018年〜2020年スタート(予想)
○サイクル24最大群
2014年10月24日 NOAA12192 左白色像 右Hα単色像
2014年10月24日
2014年10月25日
2014年10月26日
○サイクル24 最大級(第3位20171008現在)のフレアを起こした群
〜2017年9月のNOAA2673の起こしたX9,そしてX8が最大となった〜

