天文ニュース

毎月の夜空の見もの+

毎月の夜空の見もの+ 夏の空

  7月に木星と土星が相次いで衝を迎える、
衝とは地球から見て惑星が太陽の正反対の位置に来るとき、
地球からの距離が一番が近くなるので観測には都合がいい。
いよいよ両惑星の観測シーズン到来である。
ともに夜中の南天に光り、望遠鏡を使えばその見事な姿で
楽しませてくれる。今年は短い夏休みになってしまうのが残念だが
時間があったら是非その姿を見ておきたい。
望遠鏡がなくても、木星は夜中の明星と言われるぐらい明るい。
ひときわ明るく、白く輝いて見えるのですぐに分かる。
土星は木星の左手、1等星ぐらいの明るさで見えている。
こちらは少し地味な感じがする。
星座の星と違うのはほとんど瞬かないことである。
見比べ、確かめてみるといい。
ところで、
〇7月14日 木星の衝
〇7月21日、土星の衝
2つの惑星の衝の間隔が1週間、角度にすれば大体7度の差。
(星は地球の公転で1日1度ぶんだけ早く上るようになるので)
7度ということは、
木星・土星は夜空でかなり接近して見えているということになる。
具体的には、
腕をまっすぐ伸ばして拳固を作ってみる(じゃんけんのグー)
このとき拳固の縦(長い方)の角度はおよそ10度
つまり木星と土星の開きは拳固の半分ほどしかない。
実天での感じはつかめただろうか。
これが1年前はどうだったか?
2019年木星の衝は6月11日、土星は7月10日と
1か月も間隔があいている。従って角度は30度。
1年で23度も木星と土星が接近したということになる。
理由は単純、木星は土星より足が速い。
木星の公転周期はおよそ12年、土星はおよそ30年。
木星は星の間を土星の倍以上の速さで星の間を
西から東へと動いているのである。
ここで各々の公転周期の最小公倍数をとると60になる。
つまり今回のように木星と土星が「夏休みの空に」
仲良く並んで見えるのは
次回は60年ほど先ということになる。
ふつうに目で見られるような星の世界の現象は
けっこう気が長い
そう考えると、今年の夏の2つの惑星の並びが
ちょっとだけ大事に思えてくるのではないだろうか?